【書籍】「国産RPGクロニクル ゲームはどう物語を描いてきたのか?」読了

本書は、元エニックス社員である筆者が、日本のRPG史を振り返った一冊です。
「国産RPGクロニクル」という題名ながら、内容の中心はほぼドラゴンクエストとファイナルファンタジーの二大シリーズに限られています。他のRPG作品については、タイトルの紹介程度にとどまり、特にポケットモンスターシリーズが完全に取り上げられていない点は疑問が残ります。

構成としては、歴代ゲームハードの進化とともに、各ナンバリング作品の歩みを順にたどっていく形式で、シリーズ史を俯瞰するには最適です。ただし、ストーリーの核心部分にも触れられており、ネタバレを避けたい読者は注意が必要です。

特筆すべきは、スクエアとエニックスの合併に関するエピソードや、鳥嶋和彦氏との対談です。『クロノトリガー』や『FF5』の制作秘話など、当事者ならではの裏話が盛り込まれており、ゲーム史に関心のある読者にとって価値ある内容となっています。筆致は平易で読みやすく、専門知識がなくても理解しやすい構成です。

ただし、ビジュアル資料は一切なく、あくまで文字情報のみで構成されているため、資料的な補完を求める読者にはやや物足りなさを感じるかもしれません。

ドラクエとFFの歴史を一気に振り返りたい方に、おすすめしたい一冊です。

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